1600万年

「テルル129m」初検出…取水口付近の海水

 東京電力は29日、福島第一原子力発電所1号機の取水口付近で今月4日朝に採取した海水から、放射性物質「テルル129m」を初めて検出したと発表した。

 事故後3か月を過ぎて新しい核種が検出されたため、高濃度汚染水の流出などが疑われるが、東電は「採水の際に、なんらかの原因で混入したのではないか。ほかの放射性物質の検出値に変動はないので、汚染水が漏れるなどの異常事態が起きているとは考えられない」としている。

 また、東電は29日午後、4号機の原子炉建屋最上階(5階)に作業員が入り、使用済み核燃料一時貯蔵プールに循環冷却装置を設置するための準備作業を実施した。原発事故後、1~4号機の原子炉建屋最上階に作業員が入るのは初めて。5階の線量を測定した結果、短時間の作業ならば問題のない範囲とわかった。

(2011年6月29日21時27分 読売新聞)

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非常に重大なことがさらりと書かれています。

>放射性物質「テルル129m」を初めて検出した

とあるが、これはどういうことを意味するのか。

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はじめに、テルル129mについて調べてみると、

テルル129mの半減期は33.6日で、崩壊して半減期1600万年の放射性ヨウ素129に変化する。ヨウ素129はヨウ素131と同様、甲状腺に強い毒性を有する。体内に取り込まれたテルル129mは、放射性ヨウ素129に変化し、甲状腺癌のリスクを高める。

ここで注意すべきは、ヨウ素129の半減期が1600万年である点。つまり、永遠に放射能を放出し続ける核種ということ。

放射性ヨウ素の半減期は8日であるから、ガンの危険はないと書いてあるサイトがあるが、これは大変な間違い。このように半減期が非常に長い放射性ヨウ素も原子炉から同時に漏れ出ているのだということを理解しておく必要がある。

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