川村クリニック千葉市 緑区 あすみが丘 土気駅前すぐ 内科・胃腸科 楽な鼻から胃カメラ(経鼻内視鏡検査)の川村クリニック
■院長の役に立つ話  〜動脈硬化が起こるメカニズム〜 一覧へ戻る

1.血管内皮の損傷

高コレステロール血症、高血圧症、糖尿病などによって血管に負担がかかると、血管の内皮細胞に傷がつき、内皮が持っている動脈硬化を防ぐ働きが失われます。

2.貪食細胞の進入

すると血液中のLDLが内膜に入り込み、酸化を受けて酸化LDLに変化します。それを処理するために白血球の一種である単球も内膜へと入り込み、マクロファージに変わります。つまり、貪食という生体の防御反応が、生体にとっては良からぬ結果をもたらす引き金となってしまうわけ。

3.プラークの形成

マクロファージは酸化LDLを取り込んで、やがて死んでいきます。この結果、内膜に、LDLに含まれていたコレステロールや脂肪が、お粥のような柔らかい沈着物となってたまっていき、内膜はどんどん厚くなります。このようにしてできた血管のコブをプラーク(粥腫)といい、プラークができた状態を粥状(アテローム)動脈硬化と言います。なおHDLはプラークからコレステロールを抜きとることで、動脈硬化を解消する方向に働きます。


プラークができると、血流が悪くなり、血管が少し収縮しただけで血流がとだえて、その血管により酸素や栄養が送られている心臓や脳に症状が起こります。

4.血管の破綻

また、プラークが破れると、そこに血のかたまり(血栓:けっせん)ができて血流が完全に途絶え、心筋梗塞や脳梗塞が起こります。また、血栓が血流にのって脳などに運ばれ、細い動脈を塞ぐことで脳梗塞などを起こすこともあります。 これが動脈硬化症の末期像です。

こうなると、もはや治療方法はありません。したがって、こうならないように、早期治療が必要なのです。