川村クリニック千葉市 緑区 あすみが丘 土気駅前すぐ 内科・胃腸科 楽な鼻から胃カメラ(経鼻内視鏡検査)の川村クリニック
■院長の役に立つ話  〜糖尿病性動脈硬化症の発症機序〜 一覧へ戻る
今回も糖尿病の話題、糖尿病性血管障害について

糖尿病はいろいろな合併症を引き起こす。糖尿病をほっておくと足が腐るとか目が見えなくなるとか、或いは脳梗塞や心筋梗塞になりやすいとか、何度か聞いたことがあるはず。確かにその通りで、そのようないやな合併症を引き起こすのが糖尿病性血管障害だ。

糖尿病性血管障害は、細小血管障害と大血管障害に分けられる。細小血管障害とは、糖尿病によって引き起こされる細い血管の障害で、糖尿病性網膜症、糖尿病性腎症、糖尿病性神経障害がある。一方、大血管障害とは、他の血管障害性疾患(高血圧症、高脂血症など)によって引き起こされる障害とよく似た、糖尿病による大血管の硬化性変化のこと。

この病気の合併症である血管障害の発生を如何に抑え込むかが、糖尿病の治療を進めていく上で大きなカギとなる。良好な血糖管理により細小血管障害の発生を抑制するだけでなく、脳梗塞や心筋梗塞の原因となる大血管の動脈硬化の進展を抑え込むこともまた、治療上極めて重要であることは言うまでもない。

 参考文献→糖尿病と合併症

 今回供覧するアニメは、この糖尿病性大血管障害の発症機序を簡単に解説したもの。

 
The pathogenesis of diabetes-related atherosclerosis involves several general mechanisms.

The first relates to metabolic factors including dyslipidemia, hypertension, increased free fatty acids, and hyperglycemia from insulin resistance with insulin deficiency.

All of which contribute to the process of atherosclerosis among other things.

Hyperglycemia itself increases oxidative stress and glycation.

This release of free radicals increases lepidine lipoprotein peroxidation, contributing to foam cell formation on arterial walls.

Insulin resistance plays a role by contributing to endothelial dysfunction through loss of nitrous oxide and important precursor to atherosclerosis.

Diabetes promotes platelet aggregation, which is the result of an increased inflammatory response and augments the generation of growth factors and also stimulates the proliferation and migration of smooth muscle cells.

Both of which are associated with thrombosis.

Diabetes is considered a prothrombotic state which can lead to an imbalance in atherosclerotic lesions and plaque instability.

Diabetes-related atherosclerosis increases the risk of cardiovascular disease including myocardial infarction.

糖尿病性動脈硬化症の発症には、いくつかの重要な医学的メカニズムが関与している。

脂質異常症、高血圧症、遊離脂肪酸の上昇、そしてインスリン欠乏によるインスリン抵抗性高血糖などの代謝異常が主なものだ。

さまざまな要因がある中で、これらは動脈硬化発症の中核を成している。

高血糖によって酸化ストレスと糖化反応が増加する。

このフリーラジカルの放出は レピジンリポ蛋白の過酸化反応を増加させ、動脈壁の泡沫細胞形成を助長する。

一方、インスリン抵抗性は亜酸化窒素や重要な抗アテローム硬化物質を消失させ、血管内皮機能不全を来たす一因となる。

糖尿病は血小板凝集を促進する。これにより炎症性応答が亢進し、成長因子の生成が増強され、さらには平滑筋細胞の増殖と運動が刺激される。

いずれの反応も血栓形成を促進する。

糖尿病は、一種の血栓形成準備段階、すなわち、アテローム性動脈硬化の進展と不安定なプラーク形成という病的不均衡をもたらすのだ。

糖尿病性動脈硬化症は、心筋梗塞などの心血管疾患のリスクを増加させる。